人狼物語 ─幻夢─

91 白花散る夜の月灯


司書 ライヒアルト

でも、それとは別に。

……ありがとう、オクタヴィアンさん。

気づけないままでいたら、俺。
もっと、皆、傷つけるとこ、でした。

[そう言って浮かべた笑みは、ここに来て間もない頃。
老尼僧たちと家族のような時間を過ごしていた頃には、よく見せていたもので。
純粋な想いを込めて聖歌を紡いでいた時の表情だった。
もっとも、表情自体は、傷の痛みに遮られて、長くは続かなかったのだけれど]

……もう、休みます。
ちゃんと、治して、それから。

……歌……届けないと。

[春の陽射しへの願い歌を。
ここにいるすべてのもののために。
今ならきっと、昔と同じ、澄んだ気持ちで歌えるような気がしたから。**]

(768) 2014/01/20(Mon) 22:05:05

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