人狼物語 ─幻夢─

91 白花散る夜の月灯


ピアノ奏者 オクタヴィア

[息子が独り立ちする、と。
低く落ち着いた声で話す男に、視線を向ける。
昔はぶっきらぼうな物言いだったのが、何時からか穏やかなそれに変わったものだ。
足元に懐く、年老いた猫を膝に拾い上げながら、良かったわね、と微笑み。
続く会話の流れで、長く独り身で居る、もしくは居た理由について問われ、苦笑に変えた]

…そうね、今なら言えるかしらね。

[仮にこの時添い遂げる相手が出来ていたとしても、その相手にすら話してはいなかった理由。
けれど、彼なら笑ってくれるだろう。
共に懐かしく、あの人を偲んでくれるだろう。そう思ったから]

アタシね、ずっとシスターが好きだったのよ。

[猫の背を撫でながら、目を閉じて微笑み告げたのは、初めての告白**]

(843) 2014/01/20(Mon) 23:26:45

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