私はまだ、この人生を思いきることはできなさそう。だから今少しだけ、巡ってみようかと思うの。[仔の涙が止まる頃、一度だけ額に顔を寄せてから立ち上がった。金の瞳と視線が合えば、ゆるりと笑って風に乗る]じゃあね。[自由であれと願い合う狼達のおかげで自分の望みも見つけられたから。いつかまたどこかで、というニュアンス混じりの別れを告げて。過去より未来を求めて流れていった]