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−現在/中央広場−
[結局、アマンダは、黒猫もベアトリーチェも見つけることが出来なかった。子どもが遺跡へと近づこうとしない様子から、無意識にそこに居るという選択肢が抜けていたのかもしれない]
……困ったな…。
今夜また、あのうねりが来る前に…あの子を止めたい…ううん、あの子に止まって欲しいんだけれど、な…
[茜色差す空を見上げれば、一陣の風が吹く。アマンダの対]
…ユリアン? 何処へ…ああ、ティルの?
[投げかけた声は、届いただろうか]
―森/樹の下―
[どれくらいが経過したのか。
時間についてはわからないものの、苗床の身体はだいぶ回復をしている。
まるで森とひとつになるような、そんな体勢が徐々に、
木々たちが離れてゆくことで、孤立したものとなる。]
……だいぶ、ましかな。
[呟く姿に片腕はなくとも、片目には何も見えずとも。
苗床は自分の中の二つの種から生まれた子らを、再び体内に戻す。
他の子らは森に返す。
引いてゆくうちの茨の蔓に傷つけられたか、その肌には薄く朱が引かれた。]
落ち着いたんだ
[小さく笑う]
だいぶ、力はなくなっているけれど。
……うん、無理をしたみたいだね。
心配をかけて、ごめんなさい
…親の存在が、ない?
それは…
[言葉を切って、暫し目を伏せた。
彼女の中を駆け巡る思いは、幾多のものであったろう。]
…単独行動は危険、なのね。
ならばなおさら、やっぱり行かないと。
[もはや気配も感じられない,ひとりで居るはずの心の魔の元へ。
彼女は岩壁に手をついてゆっくりと立ち、迷宮の奥へ向かおうと、一歩踏み出した。]
[...は気配を感じ、歩みを止める]
[自由気儘に飛び回る彼を縛り付ける鎖。
でも最近は以前より苦痛ではなくなっていて]
やあ、アマンダさん。
うん、今からティルを迎えに行くんだ。
そうだ。アマンダさんも来る?
[「僕と森でデートしませんか?」とくすくす笑って]
心配されるだろうか。
[左の手の甲からじわりと広がる朱。
抑えておけば治るか、と思うと、葉がひらり、そこをおさえる。]
朱く染まってしまうよ、ヨウ。
[それでも離れることない葉に、困ったように笑う。
そして再び座り込んで、根に繋がれた。
*花がふわりと飛んでいる*]
[何となく、予想はしていたものの]
って、ちょっと、待った!
あちらさんがいる最深部に歩いて行くのは、君一人じゃ無理だって!
……大体、そっちに行っても、たどり着かんが。
[実は内部構造を知っているとか]
[立ち止まった少年の言葉に、アマンダは目を瞬く。
どちらの言葉に驚いたのかはわからない]
ティルが、目覚めたの?
デート、君と?
うん、いいよ。
[けれど、直に頷いて、森へ向かって歩き出す]
いや、そういう目をされても……。
……妙な話だが、最深部……祭壇の間には、ガーディアンはいない。そこに至る道は大騒ぎだがね。
だから、逆説的に、あのおっさんは安全なんだよ。
まあ、どうするにしても。
ブリジットやアーベル、探偵さんも心配しているだろうし。
一度は、顔を見せに戻ってやってほしい。
[頼むから、と言いつつ、拝んで見せる。
頷いてもらえたなら皆の所へ戻るなり倒れこみ確定、そうでなければ……*誰か来るまで説得大会だろうか*]
「デート」という響きが嫌なら、
「逢い引き」でも構わないけどね、僕としては。
[さらりとそんな発言をして...はアマンダの隣を歩いた]
―……→北東の森―
[オトフリートに拝まれ、不満げな顔はしつつもひとつ頷く。
そして帰りの道中、ことごとく自覚なくトラップを発動させる彼女に、それを全て始末するオトフリート。
皆がいる所にたどり着いた途端、倒れこむオトフリートを見て、目を丸くした。]
…疲れてる、みたい。
[そこに待つ人々に、さらりと言う。]
[アマンダはユリアンの発言に首を傾げる]
別に嫌いではないけれど?
[目的語がすっぽ抜けたままの答えを返し、隣に並んだまま歩く]
−→北東の森−
[元は、12対の黄金の翼であったろう]
[右の半分は焼け焦げて骨ばかり]
[元は、煌めく白金の髪であったろう]
[赤い血に濡れて、右の半分は消し炭のよう]
―北東の森―
[生い茂る草花に足をとられたりしながらも、
...はアマンダの前を歩く。]
[...にとって初めて足を踏み入れる場所。
しかし迷うことはなかった。
コエがする方向へ、一歩一歩進んでいく]
はな。おはようさん。
[いつの間にか三つ花の蝶がひらり。
彼らの道案内をするかのように森の奥に飛んでいく]
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