7 【鍵の書】─精霊演戯・第二演─
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【墓】 探偵 ハインリヒ
……後者は、『最後の手段』ってわけだな。
[オトフリートが言葉を濁したので、大方その辺りだろうと察して。]
で、まだ傷は痛むか？
癒しの術が使えれば良かったんだが。
[痛々しい傷を指差し、状態を聞く。]
少年 ティル
……うん。もうすぐ、なのだね。
[まさらな翼で飛び立つかの女を見送る。
その右の、残った瞳には、少し悲しみが映るだろうか。
しかし見るものはなく、月の光もそこに届かない]
止めて、やってほしかったな
[その言の葉は、精霊に向けて。]
……望みすぎは、身を滅ぼすのに。
[と、がさごそという音。風の音。
そちらを振り返った苗床には、今は微笑みが浮かぶ。
様子など感じさせぬような]
うん、何もないよ。
そうだね、早く帰ろう
[今度はその手を、左の、残った手で握って]
【墓】 教師 オトフリート
ま、そんなとこか。
傷は落ち着いてる……ありがとう、助かった。
後は……時計の音が聞こえれば、自力でどうにかなるんだが。
【墓】 青年 アーベル
[イレーネの"ありがとう"の言葉にただ静かに微笑を返して。]
[オトフリートの言葉を聴きながら、映し出される光景をじっと見ていた。]
借り物のチカラが齎す変化に、何の意味があるだろうね？
【墓】 探偵 ハインリヒ
時計？
町にある、でっかい奴みたいな？
[コートのポケットにしまい込んだ、銀無垢の鍵巻き式懐中時計を
掴む。]
こんなんじゃ駄目か？
[時計を取り出し、見せる。]
【墓】 教師 オトフリート
……自分で変化を起こす力に気づけなければ、他者を頼りたくもなるんだろうな。
[アーベルの言葉に呟いて。
ハインリヒの見せた時計に、一つ、瞬く]
いや……十分すぎる。
時を刻むものの音は、俺に一番活力を与えてくれるから。
陶芸家 アマンダ
[アマンダは意識を澄ませ、氷の精霊の気配が感じ取る。
そちらへと足を向けた時、月の光に影が差し、羽ばたきが耳に届く]
……ベア…
[目を細め見上げ、佇む]
職人見習い ユリアンは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
【墓】 探偵 ハインリヒ
おう、そうか。じゃあ貸しておく。
貸すだけだ、後でちゃんと返してくれよ。
[鎖から懐中時計を取り外し、オトフリートに手渡す。]
【念】 少年 ティル
うん、わかったよ。
何度も迷惑をかけている、お詫びだから。
好きなだけどうぞ
[笑いながら、一度、ちらと、天を見やる。
飛んでいったまさらなましろな翼。
それからすぐに視線を前へと。
行こうと促して]
少女 ベアトリーチェ
−北の遺跡−
［ふっと、円い眼は二人の精霊の姿を捉えたでしょうか。］
こんばんわ。
［挨拶をする声は、どこまでも穏やかなのでした。］
【墓】 探偵 ハインリヒ
そうだな。
過ぎたる力なんて、己の身を滅ぼすだけだってのに。
……それがわかるような歳じゃねえ、か。
[ベアトリーチェが『神童』と呼ばれていたことを思い出す。]
過ぎたる力、か。
『一度死に掛けた』その時から、持っていたのかもしれねえな。
【墓】 教師 オトフリート
ああ、勿論。
……感謝する。
[笑顔で時計を受け取り、ぎゅ、と握ったそれを額に押し当てる]
……力は、与えられるものじゃない。
自ら切り開くもの……。
何故、それを。気づかせてやれない……。
[それから、小さく呟くように]
少年 ティル
―北東部／森→中央部を通ってKirschbaumへと―
[町の様子はあまり変わらない。
それは普通の人では、意味がないからだろか。
この風の子も、
本当なら、そうであれたはずなのだろか。
少し考えながらも、
約束のために、Kirschbaumへの道をとる。]
陶芸家 アマンダ
[目を細めたまま、挨拶代わりに片手を上げる。穏やかな声]
…やあ、二人とも。ここだったのか。
[ミハエルの問いはアマンダも知りたかったこと。静かに見守る]
陶芸家 アマンダは、貴族 ミハエル を投票先に選びました。
【墓】 小説家 ブリジット
う……ん……
[ぼんやりと目を開ける。
その瞳の翠もまた色が薄くなっていた]
あ……
[そしてその視線が向いた先には開かれた空間の裂け目があった]
少女 ベアトリーチェ
これは、門を開く鍵だと、聞いているよ。
［云いながら、小さな右手を、手首に巻かれた鎖の輪に延ばします。真珠は月の光を弾いて白くきらめいておりましたけれども、指が触れた瞬間にそれはかたちを変えてゆきます。腕輪から、一冊の書へと。］
『世界と世界の狭間にある、無限なる混沌の海』へと続く門であり、
『世界を生み出せし秩序の王』が去って行った門にして、
『世界を無へと還す混沌の王』が訪れるとされる門を。
［それはまだ天と魔の封印が施されたままでしたけれども、それには闇よりも黒い布が張られており、表紙には銀の糸で古い言葉がつづられていました。］
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