― 後日・施療院 ―
[いつの間にか、二週間程の時が過ぎた。まだ満足に歩けず包帯も取れないものの、身体の痛みは薄れ、順調に回復していた。施療院の先生は、別段気持ち悪がるでもなく、他の人と同じように(むしろそれ以上に親密に)接してくれた。それが嬉しかった]
「はいよ、今日の診察は終わり。」
[いつもの人好きのする笑顔で言う先生の顔を、真剣な眼差しでじっと見つめる。この数日間、ずっと考えていたこと]
ねえ、先生?……僕も
……治療師になれる、かな?
[普通と違う体。二つの心。それでも守護天将の素養を持つ者として、白虹の力は輝きを失わず]
先生みたいに、なりたい……んだ
……僕、こんな身体だけど、誰かの役に立ちたい、んだ……それで……
[そのまま、しばし時が止まったような沈黙が流れた]