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―西殿結界内・回廊ダッシュ―
って、こりゃ…エーリッヒか?
[アーベルはザムエルの方に向かっているはず。
だとしたら、これは不機嫌で送られたのだろうかと。
それとも少し前、言った通りに先にエーリッヒを送ったのか。
考えていたら再び距離は縮みはじめ。
エルザの声は辛うじて届いたか。]
あぁー?刺激?
[まだ足は動く動くが。]
─西殿・回廊─
[ずりずり引きずりで、ちょっとどこか痛くなってるかも知れないね、なんて事は今は考えずに、西殿の中へとたどり着く]
……階段昇るのが、辛いんだよなあ……。
取りあえず、広間か食堂か、そこまで連れてくか……。
[なんて呟きつつ、移動開始。
カケラを警戒するべく、風の探知は広範囲に広げておいた]
―西殿回廊―
[一瞬は届いたと思った指はスルリと躱されて。
次に近づいた時には疑問符が返って来た]
剣の意思が。怒りが。
壊してしまう。壊れてしまう…!
[オトフリートはそれを望んでいるとすら言ってのけた。
本当はそれも信じたくはない。信じられない。
そしてそれ以上に今前を走っている人は]
クレメンス様の、のぞみ、は。
ちがう、の、でしょ、う…?
[真意までは教えられていない。だが他の二人とは何か違う気がするのだ]
クレメンス!
[見えた姿へと叫ぶ。]
なんとかなんねぇのかよ、コレっ!!
[彼の目には分かるだろう。
火竜の背の古傷から漏れて滴り続けている命の雫。]
クレメンス!
[見えた姿へと叫ぶ。]
なんとかなんねぇのかよ、コレっ!!
[腕の中の機竜は、既にほとんど鋼と化して。
命竜の目には分かるだろう。
火竜の背の古傷から漏れて滴り続けている命の雫。]
……ん?
[とてとてと、歩く道すがら、風が拾ってきた、声]
おっちゃんと……天竜の、姉さんか?
[小さく呟く。
何やらおっかけっこをしているらしき状況は、色々と気にかかり]
……ピア、爺ちゃん、見ててくれな。
[相棒に向けて小さく告げ。
背負っていたザムエルを壁に寄りかからせ、常磐緑のマフラーを解き、その膝の上に。
マフラーは、傷を隠すのと同時に、守りの小結界としての役割をも持つ。もっとも、効果は弱いのだが]
よし、んじゃ、行ってくるぜい!
[走り出す片手ががっちり『風雷棒』を握っていたのは、言うまでもない]
< 散る光を黒の瞳に写し、暫し眺めた後に歩み出す。
石の影響を受けた所為か、少し、眩暈がした。
直接対峙したものよりは、格段にましなのだろうが。
平時よりも遅い足取りで、精神の力に霞む影輝の残滓を辿り――違和感 >
……、消えた?
< 小さく声を上げる。
それでも感じられた場所へと向う。
一室から、微かに冷気が漏れていた。倒れる影は、流水の竜だ。
一瞥してからその先を行くと、壁を頼りに歩く歳若い女の姿。実際には、幾つも歳を重ねているのは知っている >
ブリジット。
< 静かに、声を投げた >
―西殿結界内・回廊ダッシュ―
[走りながら聞こえたダーヴィットには。]
悪いけど、エーッリッヒのは癒し実行済み!
無機物領域は無理ー!
一旦時空のに、内側の時止めて仮死状態にでもしてもらえ!
ダーヴィットは、悪ぃがもうちょい待って!
[走り出したら止まらない、ではないが。
流石に剣を持ったまま、ほかの事に手をかける事は出来ない。]
―東伝・回廊―
[壁伝いに幾らか歩いたところで、背後から声を掛けられてはっと振り向く]
……ノーラ!
無事だったのね。良かった……。
[ほぅと安堵の息を零し、微かに笑んだ]
氷破竜 ブリジットは、精神竜 アーベル を投票先に選びました。
[駆けていく先、ふと、目に入ったのは琥珀の煌めき]
……風精、招魂……。
[小さな呟きに応じ、手にしたロッドの緑柱石が光を零す。
いつも操る風は、ザムエルの周囲に置いてきている。
今、使えるのは『風雷棒』を媒介にしたもののみなのだ]
……止めてこいっ!
[走りつつ、ロッドを縦に一振り。
琥珀を散らすものの足元へ向け、放つのは足払いの風]
―西殿回廊―
[会話をしながらでは流石に大変だったのか。
後一歩で手が届く、再びその距離までは詰められた]
お願い―…!
[右腕を、精一杯に伸ばす]
―西殿結界内・回廊ダッシュ―
意志?ああ、そういや何か言ってたっけか。
壊れるって、剣がかー?
だったらノーラ殿あたりは喜ぶだろうなぁ!
[へらへら笑いながら、全く微塵も深刻さも反省の色もない。
エルザの問いには、緩く首を振った。
走りながらだが。]
おいさんの望みは…。
[言いかけて、一旦沈黙。]
今は、望んだ先が見て見たいわな。
果てには何があるのやらーっと。
[走れば琥珀が後に続く。ちらり、ちらりと薄く光り。]
[翼のままでは背負えないので、当然いわゆる姫抱きで。]
…時空。
確かに彼女なら。
[探して、なんとかしてくれるよう頼みに。]
< 無事を喜ぶ様子に、知りはしないのだと悟る。
しかしそれを表には出さず >
……一体、何が。
< 彼女の傍へと寄り、僅か左に顔を傾けた >
―東伝・回廊―
[ゆるりと一度首を振り、]
どこから説明すれば良いのか分からないけれど……。
[口元に手を当て、悩ましげにして]
……アーベルが、揺らされたものだった。
それで剣を狙って、さっき襲ってきたの。
この際だから……大丈夫よね。
ザムエルが、剣を持っていて、それで……そうだ、彼の姿は見ていない?
[影輝の竜へと、尋ねた]
―西殿結界内・回廊ダッシュ―
[琥珀は、何かを捕らえたようにクレメンスの周りを舞い。
ぉ、と小さく何か言った所で。
エルザの手が伸びる。丁度腰のあたりの布をつかまれ。
たところで足払いの風がクリーンヒット。足が華麗に縺れて前に転がった。
エルザを巻き込んで。]
だあああああ!!
[ごろごろ二人で一緒に転がりながら、突き当たりの壁にずどん。イイ音が。
この場合、きっと一番可哀相なのは卵姫だと思われる。
おっさんはやっぱり3秒で立ち上がるわけなのだから。]
いえ。
< 左右に首を振る。嘘ではない。
沈黙を一拍置き、ブリジットの進んでいた方角に眼差しを向けた >
ザムエルが所有している事は、知っていました。
影輝の気配が感じられましたから。
そして、今は――感じられない。
[上着に手が届く。ギュッと握ったその時だった]
え…。
[どんな転ばれ方をしたのだろう。
掴む手を離す間も無く、共に転がる羽目となり。
壁に強く頭を打ち付ける形で止まった。
流石に掴んでいた手の力も緩んでしまうだろうか]
/*
…こんな感じ、かな。
これはクレメンス完全に逃げる気なのだろうなぁ。
剣どっちも奪えないのか。
…こっちは墓だから仕方ないのかな、うん。
[予想外の派手な物音にげ、と呟きつつ。
それでも、そちらへ向けてダッシュで走る。
壁に突っ込んだ様子にあちゃ、とか声が上がるものの]
……おっちゃん、逃がさねぇぜっ!
[エルザが追っていた、という事は、聖魔剣を持っている可能性がある、と。
そこまで論理的に解析できてはいないかも知れないが]
っせい!
[接近後、前転で視界から消えるフェイントをかけた後。
立ち上がりにジャンプを重ねて、ロッドを元気良く振り下ろす]
―東伝・回廊―
……逃げられなかった、か……。
[もっと早く、色々な手を打てれば良かった。
そう悔やんでも、今はもう遅い。水竜が言っていた通り、これからが大切なのだと
自分に言い聞かせて]
剣の気配自体が感じられないということは……、どこか遠くへ行ってしまったのかしら。
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