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[エルザの肯定に、やっぱりか、とため息一つ]
……頭のいいヤツほど、小さな事には気づけないって言うじゃん?
動けないから自由じゃない、なんて言ってる内は、ほんとの自由は掴めねぇんだけど。
……一回、限界まで痛い目見ねぇと、わかんねぇのかもな。
[軽く、肩を竦めて]
とりあえず、探しに行く前にさ。
爺ちゃん休ませるの、手伝ってくんない?
すっげえ参ってるみたいだし……ほっとけねぇから。
[駆けてきた方を見やりながら言う。
オレ、回復とかできないから、と頼み込み。
同意を得られたなら、*ザムエルの元へと向かう*]
それが第一に来るとばかり。
< 実を言えば、襲う気はあった。
それを止めたのは、力が足りなかったか、自身の意志か。
真意を口にはせず、前へと向き直る。
影もまた、いつの間にか、ブリジットの足下に還っていた >
剣の力を使わねば叶わない程の願い、
どれだけの者が集わなければいけないのか。
< 掌に視線を落とす。
願いの事など、ブリジットは報せていない筈だった >
―東殿・回廊―
よく変わり者と言われますから。
[あまり理由になっていない気がしたが、それでもそう返答し]
……そうですねえ。
願いの種類にもよるとは思うけれど。
願いが分かれば、誰か叶えるのに適した人も、居たかもしれない、とかね。
……奇麗事過ぎるかしらね、色々と。
[眉を寄せて、苦笑気味に呟いた]
綺麗事に救われる者も、居るかもしれません。
……眩しいとも、思うけれど。
< 独りごちるように言うも、前方に発見した姿に警戒も薄く歩みを速め、その傍に膝を突いた。意識は無い。しかし、手には、しっかと握られた黒の腕輪 >
―東殿・回廊―
[最後の呟きは、微かに聞き取れず。
影輝竜の後を追うように、早足で向かう]
……腕輪がある、という事は……。
[老地竜の姿を思い浮かべ、辛そうな表情を浮かべる]
手から……外せそう、かしら。
剣にしては、力を感じな――…
< 氷破の竜より先に手を伸ばす。彼女に渡さないために。
しかし結果として、それが仇となった。
青年の心によって、剣の力が抑え込まれていたとは知らず。
触れた指先から流れ込むのは、その一端。それも己に近しい影輝の属と、混沌を齎す精神の属。暴走のひとかけらを受け、弾かれるように手を引いた >
……、っ…………!
< 伸ばしたのが、聖魔剣を手にしていた方であったのも、悪い方向に運んだか。
剣の怒りは暴走を促進させ、体内を駆け巡る。
腕を押さえ、身を縮こまらせて目を瞑った >
―東殿・回廊―
ノーラ!
[影輝竜の手が弾かれるように、腕輪から離れる。
その後もうずくまるように身を縮みこませ、目も伏せられて]
……ッ、何が……力を押さえ込んでいる?
暴走をか、それとも剣自体をか……。
[そこまで呟いたところで、首を振って]
大丈夫?ノーラ、ノーラ!
貴方は私を罰するか……
< 低く、抑えた呟き。
ブリジットを振り仰ぐと、微かに右の髪がずれる。
螢火の瞳が明滅していた >
触れては、いけない――
―東殿・回廊―
罰する……?
[眉を寄せ、倒れている心竜を見やったが、直ぐに首を振り。
影輝竜を見ると、蛍火を思わせる瞳が、闇の中から覗いていた]
触れては――、剣が暴走しているから?
[忠告は聞き入れたが、それでも焦る様にして]
< 今は黙して答えない。
剣もまた、伝える言葉を持たない >
暴走、しているだけならば、影輝の力は容易に感じ取れるはず。
ゆえに恐らく、封を施されているものと。
これ以上、下手に働きかけるのも、危ういかもしれない。
< 確証を取れぬ侭に呟く。他の手に渡らぬための言も混じって吐いたが、あながち間違いでもないだろう。
根幹から揺り動かされる感覚。
果たして、剣の暴走にのみ因るものか。
灯りのつくり出す影が、先とは異なり、意図せず蠢いた >
―東殿・回廊―
そう……、そちらは今は、良いとして……ッ。
ノーラ、貴方は大丈夫なの?
[そっと身体に触れようとするだろうか]
< その手が触れる刹那、人の容を保っていた姿は崩れ、以前に混沌の欠片の模した黒の塊と似たものになり、腕輪を手にした精神の竜の影に溶け込んだ。
まるで泉に石が落ちたかのように、*黒の波紋が起こる* >
―東殿・回廊―
――ッ!
[ノーラの身体が、影の塊のようなものへと変貌し、心竜の影へと溶け込んだ。
まるで水紋のように、影が揺れたかと思えば、間も無く収まり、一つの影となった]
……、……ノーラ。
[名前を呼ぶも、反応は無く。
暫くの間、心竜の青年をじっと見つめていた]
―東殿・回廊―
一先ず……他の者を探して、集めましょう。
[一番気掛かりなのは、翠樹の仔。
騒ぎに怯えて、どこかで泣いていなければ良いがと、その場を後にする。
ちらり、一度だけ振り返り、呟く]
……貴方の願い、伝えて欲しかった。
[心竜にも、その影にも聞こえはしないだろう呟きを残して。
ブリジットは、翠樹の仔を探すべく、その場を*後にした*]
/*
昨日の本来の流れ。
錯綜する意識の中、己が誓いと己が律を思い出し言霊破壊→アーベルに一撃食らわせて相対→本性解放、腕輪を岩石でがっちりガード
をやる予定だった。時間無くて出来なかった。
やりたかったんだよ本性解放!!
[不意に右手に走る激痛。意識の錯綜に囚われし今、その痛みを痛みとして感じたかどうかは定かではない。しかしそれは全身をも支配し、指の痙攣を生み出す。腕輪を握っていた指が、緩んだ]
[腕輪を奪われた後も剣の力の暴走は己に襲いかかって来ているような感覚に囚われ。意識の錯綜は尚も続く。結界内へ送り込まれたと言うことも認識していなかった]
─西殿・中庭─
[傍から見たそれは気絶しているように見えたか。ティルに揺らされ叫ばれても動く様子は無い。
意識下では相反する思いが鬩ぎ合う。抑える、抑えられぬ。心の底より誓いし決意と、植えつけられた呪を持つ言葉がいがみ合っているようだった]
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