[――あがる、少女の悲鳴。
彼女は、瞬きをせずに放たれる光を見つめ、
その全てを受けた。
引き戻した鞘を胸元に運び急所は避けたが、それだけ。
暴走により、先程より威力は高くも狙いの出鱈目な攻撃は、身を捻るだけでも、大分軽減されるはずだった。避ける手段は幾つもあった。
それでも、彼女はそうせずに。
むしろ――後方に抜けて行きかけた一条は、自ら、左手を伸ばしてすら。]
――……………ッ
[手に、腕に、腹に、肩に。
光が灼く。
開いた唇からは、息だけが洩れた。熱い。
足がふらつきかけた瞬間、球体が爆発する。
少女より距離は遠かれど、まだ近い。その煽りを受けて、後方に飛ばされる。身体。手から離れた刀が転がり、受身は取れず、強かに背を打ち付けた。]