―― どこか ――[ゲルダの声が聞こえた。 ゆっくりと、そちらに意識が向いて]………悲しまないでください。私が望んだことだから。きっと、ここで死ななくても。私はこの茨の城から出ませんでしたよ。カルメンさんを、置いては、いけませんから。今度こそ、一緒に、残りたいと。そう、思ってましたから。[もう、触れられない。 辛くても、頬をつねって感じない。 だから、言葉を囁く。届かない言葉を]ああ、そんな悲しそうな表情をしないでください。