―― 宿泊施設・広間 ――
[重ねる説明と問い掛けに返る声は、どこか歯切れが悪いもの。>>+14
普段の「ユリアン」なら、そんなリディを見て言葉を止めただろう。
されど、定めに囚われた『聖花』は、ただそれを果たす為に言葉を重ねた。
怯えるように揺らぐ視線さえ、疑いを深める一因として捉え>>+15
開く唇は、また彼女を追いつめる。]
うん、双花。 ギュンターさんと同じ。
だからね、これ以上犠牲は出したくないから
……疑わしい者は……
[皆まで言わずリディを見る。その先に続く言葉なんてすぐに浮かぶだろう。
「やめて」と、どこかで「ユリアン」が叫ぶのは、今の自分には届かない。]