― 黒珊瑚亭 ―[震えた空気の先を探して下り切った階段から歩みを進める。……言葉が、聞こえる。認識できる言葉が][歩み出した先は食堂で。広がる蔦荊と、其れを気に留めた様子も無く言い争う姿と][其れから外れたような、ひと]……、?[生きる世界の言葉届かぬ魂には彼らが此方側へ来てしまったことを知る術も無く。姿をとらえた紅玉が瞬いた]