[やりきれないと言われると、ただ頷く事しか出来なかった。
主語のない言葉は、自身の中では一人を差した。]
…わからない。でも。
嘆く言葉しか、聞こえないから。
[時折ぽつり、ぽつりと心に届く声は、後悔の念ばかり。
聞いてしまえば、謝罪と痛みしか心に残らない。]
それに、一緒に居た時間が、大切だと思えるくらい好きだったのか。
[そういえばウェンデルにも聞かれた。
あの時は、直後にレナーテが死んだから、結局口に昇る事はなかったが。
あの時唇から零れかけた答えは。]
……わからないから。
[死ぬのは、あまりに早すぎて。]