[その楽器を手に、僕は家から姿を消し、宿屋の屋根の上へと現れた。屋根に腰掛けるようにすると、静かに、リュートに指を走らせる][爪弾き奏でるは穏やかな調べ。生前父に教えられた、幸せを願う祈りの曲。その曲に込められた意味を知らぬまま、僕は静かに曲を弾き*続けた*]