[クロエとはそのまま会話を続けていただろうか。
彼女がどこかに行くなら、幼馴染の服を握っていない方の手を振って見送って。
自分はアーベルの隣に座ったままで、もう干渉の出来ない世界を見るとはなしに見つめていた。
エリザベータの歌声は今も途切れてはいなかったろうか。
彼女の姿を見つけたなら、軽く頭を下げるだけで声はかけず。
彼女が歌っていなくても、その前に聴こえていた子守唄を今度は自分で紡ぎ出した。
が、どこからか聴こえてきた>>+93調べに気付くとその邪魔にならぬように口を噤み。
その調べに、耳を傾けた。**]