[きっと獣の姿なら、俊敏さを武器に爪を届かせることが出来ただろう。けれどエーリッヒは未だ人の姿。爪も出ていなければ、振るう力も人のそれで]───ッ![ヘルムートが抜いた刃が腹部に刺さると同時、振り被っていた拳を振り抜いた。彼の手から刃を離させようとするような勢い]