― 広間 ―ふふ、君はそうなのかもしれないけれどね。[深く、背凭れに体重を預ける。質は良いのだろうが旅慣れる故に重い男の身体を受け止め、ぎしりと微かに軋んだ]旅をしているとね。次に辿り着いた時にはもう、という事は少なくないんだ。だから私からすれば、お変わりないということはとても嬉しい事で、安心できることなんだよ。――解ってはいるようだけれど、ね。[言葉と裏腹、浮かぶ楽しげな表情>>1。其れを見遣り、くすり、笑って顎髭を撫でた]