下男 アーベル

― 浴室 ―

まぁ鉢合わせると痛いのはコッチだしさー。

[男と鉢合わせても大した問題ではないが、女だと確実に向こうから責められるだろう。
そんな事をからりと言い、ぬるい湯が気持ちいいとの言葉には、そう？と軽く首を傾げる程度。]

ならいいんだけどさ、まぁ無理せんようにネ。
こんな状況だ、弱ると目をつけられかねないからサ。

[誰に、とはあえて言わなかった。

いつも通りの笑みを浮かべながら、出て行くライヒアルトに手を振ると、こちらは一旦奥にある小部屋へ入り>>1:175、手馴れた様子で釜へ火を入れ湯を沸かしなおした。]