[足が重く感じるのは気が重いせいだろう。
扉を見つめたまま、動けずにいたが深呼吸をひとつして
部屋の扉に手を掛ける。
アリョールが扉を叩く音は聞こえなかった。
考え事をしていて気づかなかったというのが正しい。
それ以前に誰かに呼ばれる事態など無いだろうと
高を括っていた側面もある]
……ナイフは持っていかずとも良いか。
魚を捌く道具は厨房にあるだろうし。
[武器となるものを置いていったことを考えれば
そういった類のものを態々回収していくとも思えず
男は部屋の机にナイフを残したまま廊下に出ようとして――
今度は意識していたのもあり扉を叩く音>>13が聞こえた。
一拍置いて扉を引き控えめに開ける]
ベルナルト?
どうかしたのかい。