……あの時と同じ、ね。[囁くような声は女性のもの。もう誰も聞くことのなくなった聲と同じ声]足も完治したことだし……昔みたいに、外から行こうかな。[呟いて、テラスの手摺りの上にしゃがみ込み、外から目的の部屋を探す。暑さに窓を開けているのなら侵入も容易い。仮に閉められていても、この屋敷の窓の外からの開け方は熟知している。子供の頃ここで遊んだ時、窓から入り込むなんてことは結構ざらにあった]