― 広間 ―
[視界はまだ白一色だった。
整えずに力を使えば当然のように代償は大きい。
その力は、後世になって作られたもの。
無理やりに掛け合わせて、発現させた歪な力。
それを作った者達の手から取り上げられ、場の要素となる因子とは別の命視る力を持つ先代が、どうにか安定させたもの]
眠らせる。埋葬を。
[手伝いたい、とは言う前に拒絶されただろうか。
思考は麻痺していた。人狼でないブリジットを殺すのにも、快楽を感じてしまった自分を自分で否定して。
血のついたままな刃をのろのろと仕舞い、隅の方で頭を抱えた。頭痛が酷い。力を振るうのを否定することへの警告。
本当はもう一つ。
誰が狼なのか、自分の中の消去法では決まったはずなのに。
歪な力の一部が反乱して、そこを取り上げさせなかった]