こほん。[小さく咳払いをして、冷凍睡眠装置から抜け出す。辺りを見回すと、いくつかの開いた装置と、赤いランプが点滅する開いていない装置と、未だ沈黙を守る装置が目に入った。] 目覚めたという事は、治療法が見つかったはず。でも。[眉をしかめる。蒼い目が映す景色は廃墟のよう。] 責任者はどこ。[声を張り上げて踏み出した足がよろけたのは、病気故か、久しぶりに歩くせいで歩き方を忘れている為か。叫び声をあげかけた口を自分の手で押さえ、前のめりに倒れ込んだ。]