─ →浴室 ─
[広間に戻った時、ゼルギウスはどうしていたか。
未だ隅に居る>>18ようなら、その様子を一瞥してから北側の扉を目指す。
どこへ行くのかを問われたなら、服を洗うために浴室へ行くと答えた]
………………。
[浴室の洗面台で、血に濡れた服を洗おうとして、手を止める。
他者の手によって流された、ブリジットの血。
その赤がついた服が、いやに重く感じられた]
………殺さねぇと、なぁ。
[洗面台の鏡に映る、服に付いた赤を見詰めるクレメンスの瞳は、昏い。
決意の如く呟くと、意識を取り巻く昏いものが一層濃さを増した。
呑まれる寸前までに膨れた昏いもの。
抱いた殺意を増幅させる、殺戮衝動。
今はまだ矛先が定まっているために他へ飛び火することは無いが、この状態ではいつ意識を全て呑みこまれるか分からない]