─ 二階/客室 ─[広間での演奏の後、部屋へと引き上げて。これで終わればいい、という願いを抱きつつ、その日を過ごす。連日の事、疲労は深かったのか訪れた眠りは深く。夢も見る事なく沈んでいた淵は、不意に揺らされた] ……っ!?[何の前触れもなく感じた衝撃に、文字通り跳ね起きる。妙に心拍が上がっているような心地がして、数度瞬いた] な……んだ?[滲んでいた汗を拭い、荒い呼吸を繰り返す。言葉に出来ない、嫌な感触。何かが欠けたようなそれは、何を意味するのか]