〔家にたどり着くまでもなく、その途中で、アナはホラントと出くわした。
油はないはずなのに、そのランタンには光が灯っている。
普通のものとは違うって、アナは、気づいただろうか。
不思議だと首を傾げるアナに、ホラントがどんな話をしたのかは、そこにいたものだけが知ること。
ただ、きっと、おしゃべりなホラントのことだ、聞き手という名の獲物を見つけたなら、誰かれ構わずに話してしまうに違いなかった。
妹の心配をよそに、どこかへ行ってしまう兄。
やきもきしながらも、眠気に勝てなかったアナは、暗い闇の中で現を知るのでなくて、白いベッドの中で夢を見ることにしたみたい。
* おやすみ、良い夢を。*〕