― 4日目早朝/黒珊瑚亭 ―
………。いや、僕が行ってくるよ…。
君は…宿の朝の支度もあるだろう。
[アーベルの様子を見に行った方がいいだろうか、
というような話になったなら。
ゼルギウスを発見した時の彼女の悲鳴>>3:84>>3:85と、震える手を
カルメンに支えられていた様>>3:139が、ふっと脳裡を過り。
“ユー坊”とユーディットを呼ぶアーベルの声と、
親し気だった二人の様を思い出して。
ユーディットは彼女が行くというようなことを言ったかもしれないが、少し強い口調で自分が行こうと口にした]
……アーベル?
[アーベルの部屋まで行けば、間を置いて数度ノックして。
暫くたっても応えの無いのに、そっと扉を開けた]