─ ヘルガの客室 ─
[深紫を伏し、佇んでいたのはどれほどの時間か。
このままにはしておけない──そんな思いと共に、動き出す]
……さすがに。
このままで晒しておくわけには……な。
[また、地下に安置すべきだろう、と。
そう思い、リネン室からシーツを取ってくる。
その間に、部屋を訪れた者はあったか。
やって来た者に問いを向けられたなら、小さく息を吐き]
……血の臭いが、したんでな。
嫌な予感がして、訪ねてみたらこうなっていた。
……まだ、終わってはくれない、という事らしい。
[どこか硬質の声でそう説明して。
持って来たシーツで亡骸を包もうとして──ふと、違和感を覚えた]