[包むような幼馴染の温もりが
徐々に佑一郎の気持ちを落ち着かせる]
蛍はずるくない。
優し過ぎるだけだ。
[例え話で自分をずるいと言った彼女>>12を
佑一郎はずるいとは思わない。
今触れているぬくもりも彼女の優しさの表れだと思った]
それに、ずるいのはきっとボクの方だ。
置いてかれるのがイヤで置いていく側を選ぼうとしてる。
[守りたいと思った者を守れず失ってばかりいる男は
失うことに何処かで怯えていたのかもしれない。
彼女が望まぬと知りながら、それでもきっと
春を庇おうとしたように、また同じ事をするのだろう]