……っ。[ぎり、と確かに奥歯が鳴る。それは、純粋な悔しさ。痛みをこらえるとかそんなことはどうでもよく]……勝手にしろ。[するり、と。右の手から朱雀はか細い炎になって消える。明らかに苛立ちを含んだ声は、相手のほうを欠片も見ることなく。もう馬に蹴られるのはたとえそれが麒麟の足であろうともうごめんだとばかりに、大きく息を吐き出すとその姿はふい、と屋上を遠く*離れて*]