[森を抜けると、野次馬行き交う道は避けて子供の好みそうな脇道を通る。幸い人と遭遇することはなかったが、滲む血は幾分範囲を広めていた]……捨てないと駄目かねぇ。[心配は怪我よりも服のこと。進むうちに目当ての建物が見えて来る]ミリィ、居るかー?[主は往診中の筈と記憶を辿りつつ、周囲を窺ってから入り口に寄り、見習い術師の名を呼んだ。栗の焼き上がりに間に合っても、待ち受ける運命は変わらないとは、まだ知らず]