……えーっと、熱さましっていうと、あれとあれと……。
[ぶつぶつと呟きながらまずは三階の自室へ。
部屋に入ろうとした所で、丁度出てきた祖父に声をかけられた]
なに、じっちゃん?
……あ、うん、わかってるよ。
[外に出られなくなった事と、それに伴う客人の世話の話に短く頷いて。
更に何か言おうとする気配に、あ、これ長くなる、と察して]
あ、長くなるなら後にして!
ユリさんが具合悪いから、薬用意しないといけないから。
そっち、優先!
[先んじて言い切り、部屋へと駆けこむ。
閉まった扉の向こうで落ちたため息には気づかないまま、部屋の一角に設えた薬草の棚から必要な物を取り出して厨房へと取って返し。
その後は薬湯を煎じて届けたり、備蓄を確かめたりと一日忙しなく動き回る事となる。**]