[血に濡れた刃を自らの胸へと向ける。自決などしてはいけないと教えられていたけれど望んだのはおとうとの牙だけ――。つきたてようと目を瞑れば不意に髪を撫でる優しい手>>45が触れた。あにの手とは違うのに。あにを思わせるそれにナイフを抱く手がピクと跳ねる]