[母は怒るばかりで現実的な対処のできないひとだった。ユリアンは寄り道をするような子ではない、探しに行かなければと兄が主張してくれなければ、 ユリアン・トラウゴット ここに眠るという墓碑が村の墓地に建てられていただろう。酷い風邪で半月近く寝込みはしたものの、ユリアンがそういう最期を迎えずにすんだのは、ビルケのおかげだ。]