─ →談話室 ─[談話室に向かったのは、アーベルの声が聞こえたから、ではなく。頭に思い描いた相手の部屋を知らぬから、誰かに聞こうと思って、だった。クラッチバッグを片手に入った部屋、重い空気に一つ、息を飲んで。ミリィとアーベルの姿が目に入れば、あぁ…と声を落とし]…、ちゃんと、寝かせてあげましょう。 …いいわよね?アーベル。[青年に問うように声をかけた後、マテウスに近付き彼だけに届くように小さく声を落とし]…レナーテさん。今、何処に居るか知らないかしら。