―『世界樹の仔』の傍・少し前―[>>13不思議そうに首を傾げた使い魔の仕草はきっと無理もない。件の呼び名は、空を飛ぶ少女とその使い魔を見止めた氷破のとある生徒が勝手に付けた、極々一部にしか浸透していない一方的なものだった。男としては少女が人の目を惹く存在であったり、異世界人と言う同じ境遇の事で認知をしていたが。目が合った犬には、ひらひらと呑気に手を振ってみたり――していた挙措も、後に空から落ちて来たふわふわ騒動で有耶無耶になったのだろう。]