[ 跳躍の後。
背に生えるは鷲に似た、一対の翼。
その色は今にも闇に溶け込みそうに深い黒 ]
まあ、日本って平和だしなぁ。
見た目上。
[ 滲む赤に眼を眇めつつ、
ばさり、空気を打つ音と共に飛び、距離を取る。
宙に居れど、まるで地上と同じように、
翼でバランスを取り、風を呼び、輪を右に引き戻した。
そう高い位置ではない――精々人二人分程――にも関わらず、
見慣れた公園は、随分と小さく思える。
風が心地好い。 なのに。
眼下にヒビキを見下ろした侭、追撃は加えず ]
――そろそろ、止めとくか?
[ そんなことを、問うた ]