……っつーか、正気か、てめっ!
[冗談のような攻撃に、思わず上がる、声。
避けている時間は、ない。ならば]
ちっ……苦手なんだよ、『まとめて』使うのはっ!
[とはいえ、そんな事を言っている余裕はなく、意識を集中する。
獣化と、念動力の同時行使。
寿命にも関わる危険がある、と言われたが、しかし]
こんなんまともに……食らってられねぇっ!
[叫びと共に、念を解放する。
形作るのは、防御壁。
それが機能するかどうかを確かめる猶予はなく]
……んなろっ!
[飛び込む相手に向けて右手を繰り出す。そこにあるのは、銀色の鋭い、爪]