[まずは大きな声を上げられないように、口元と鼻を片手で塞いだ。今ならば暴れられても抑え込むのは容易い。息が出来ないことで少しずつ抵抗が弱まっていくのを感じながら、鼻を使って匂いを辿り、蒼い花の場所を探していた、その最中、] ―― ぐッ [右の手の甲と言うべきか、今は前足と言うべきか。赤い線が走り、血が零れる。遅れて痛みが来た。その横で小さな音を立ててナイフが床へ転がる。]