― 月の玉座に背を向けて ―[ぽう と 小さな炎が宙に現れた。青く白く光るそれは熱を感じる事は無いそれ。男の肩あたりに現れたそれは すいっと動き後ろ頭から周り 彼の逆の肩口へまるで 遊ぶかのように ゆらゆら揺れる] お、ゼルギウスだ。 おーい。[男の巨躯は 人を見つけやすい。見知った髪色を見つけ 声をかけて手を振ると肩口の柔い炎は ふ、と 音も無く 消えた。]