― 学長室 ―――…なんて句、残してくンだ。学長にはまだ導いていくべき生徒がいる、だろ。なんでそんな覚悟するんだ……、なんで……指導者が、生徒をおいていくな、よ……[学長が望んでこうなった訳ではないと分かっている。生徒である自分たちを大事に思っていてくれていたのだと残された言葉から知れるのに――。導き手を失った哀しみからそんな言葉が零れ落ちた。三年の諏訪佑一郎にとって学長は大きな存在だったのだ]