−七曜学園・廊下→進路指導室/朝−
[きしり。
床板がきしんでまだ涼しい空気に響いた。
他の部員が集まってくる前に朝練を済ませ、足は進路指導室へ向かっていた。
その顔は至極面倒くさそうだった。
しつこく昨日の帰りに念を押されなければ全力でブッチしていたかったのに、相手も相手で手回しをしており、家を出る時に姉からしつこく行くように言われて、それ以上相手の機嫌を損ねるのも面倒で仕方ないから行くことにした。
硬い扉を二度ノックして、中から応じる年齢を経た声がすれば一応愛想よくそれなりに優等生っぽい顔をして引き戸をがらりと開ける。
中の教師はといえば、待ち構えていたようなしかめっ面で少年を応接用のソファへ通し、彼が座ったのを見計らって、進路を変える気はないのかと切り出してきた。
再三言われ続けてきたセリフに、ひっそりとため息がこぼれた]
ありません。そんなに勉強に興味ないんで。
[その言葉は嘘ではないようで、本当に興味なさそうな声色。
教師は、肩を竦めるしかないらしかった]