[近くで何やらふるふるとしていた少女に気づくと、真紅の瞳が僅かに細められる。
異界接触の権威、というそれだけ聞くと物凄く偉そうな肩書きを持つ導師にとって、異界よりの来訪者は強い興味の対象。
ご多分に漏れず、ベアトリーチェにもそれは向けられていた。
もっとも、表立って何か働きかける……という事は、少ないのだが]
そうか、それは何よりだ。
『……』
[礼を言われると、口の端にはとてつもなく楽しげな笑みが浮かぶ。
水晶龍は、その笑みにぱたり、と尾を振った]
まー、ふつーに独立学科にはならんな。
それこそ、精神か月闇辺りの独自学科だろ。
……ウチは、ちょいと毛色が違うしな。