― 自宅 ―
きょうはね、つりばしのとこいってたの。
まーくんは、おひるからおでかけって、いなくなっちゃったから。
はなかざり、つくったんだよ。
ふたつつくってね、ひとつ、るいおねーちゃんにあげたの。
そしたら、だいすけおにーちゃんが、いちまいだけっていってね。
[休憩時間に家事をこなしてゆく母親に、トマトジュースを飲みながら今日の出来事を報告する。
大介の名前が出たら母親が顔を顰めた。曰く「一人でみだりに近づいちゃダメって言ってるでしょう」と]
みくが、ちかづいたんじゃ、ないもん。
だいすけおにーちゃんが、きたんだもん。
[初めて激写された時は突然のことだったので驚いて泣いてしまって、周りの大人達に怒られる大介を見てまた驚いて泣き止んだ、なんてこともあった。
なんだか可哀想にすら思えてきたので、ごめんねと肩に触れたら引き離されて、驚きの連続すぎる記憶になった。
ちなみに未来から見れば中高生でも大人と同じだ。
いきなりだと固まってしまうことが多いけれど、今では泣いたりなんかしない。
別に脅されたり痛いことされるわけでもなかったから、何がいけないのかもよく分からないのだった]