― 道具屋 ― 言葉に宿るなら想いこめられた文字にも宿りそうなもんだけどなぁ。[クレイグの呟き聞けば不思議そうな声が漏れる。大雑把に一括りにしていた己の記憶に首を捻るもののさして気にはせぬようで既に心は酒の約束に移ろって] はは。それは頼もしいな。[一瞬宿るクレイグのいろに一度目を伏せ悪戯な音色に応じる声を向けた。] ああ、呼び止めてすまなかったな。 まいど。[ゆらり、手を掲げて『本屋』の背を見送る。]