―宿屋個室前廊下―[泣きじゃくる僕には、周りの音は殆ど聞こえていませんでした。それでも自分の髪に触れる感触>>99が切欠で、少しだけ顔を上げます]……。泊まろうなんて、言わなきゃ良かった……無理にでも、家に帰れって、そう言ってたら……っ[彼に対して言った訳ではありませんが、言葉はぽろぽろと零れます]……。[次に名前を呼ぶ声は耳に届いて、僕は彼女>>115の方に首を向けました]