─ 『世界樹の仔』傍 ─
[そろそろ食べる部分が無くなって来た林檎を両手に持ったまま、きゅーんと鳴きそうなくらいにティルは困り果てていました。
黒猫>>120の勢いについていけなかったのです]
…きぅ…。
[黒猫が名乗る時、飼い主が遮るように腕に掻っ攫っていきました。
謝罪されて、小さく鳴いて彼をまぁるい瞳だけで見上げます。
その状態のまま、林檎の最後の一口をしゃくりと噛みました]
ぅ、きぅ、がう。
[ごめん いかない、黒猫に対してそんな風に鳴いて、ティルは首を横に振ります。
そして林檎の芯を銜えて、ティルはその場から駆け出しました。
林檎の芯を捨てに行くための行動だったのですが、さて、黒猫にはどう映ったのでしょうね]