[アーベルから離した手。不安げにライヒアルトに差し出す。彼の笑みにほっとして手をつなぎ、歩き。扉をくぐり抜け、ゼルギウスを見つけて睨む。] 少ないって言うなら、ヘリ二台くらい用意しておけばいいのに。[ムスッとふくれ。52年と聞いてライヒアルトを見る。父母はすでにこの世の人ではなかった。兄弟はいない。友達も疎遠になり、修道院にはもう帰れないと思っていたから残して来たものはないけど、ライヒアルトは。]