――別に、[礼を言われる事なんてしていない。むしろ不安を煽っただけだ。そう思うから、どういたしまして、とはとても言えず。不機嫌そうに小さく呟くだけで。離れて行くキリルの背を暫く見送ってから、車椅子の音はまた、木組む音へと重なった]