─ 宿屋一階 ─[ちらと外を見る。まだ日は高く、今は穏やかだが、いずれ誰かを今日も差し出さねばならないのだろう。狼は死んでいないのだから。それはよく知っている。自衛団も、然りとした証拠がなければ、一日使者が出なかった程度では納得しないだろう。ゲルダがベアトリーチェに近付いたのを見ると、こちらはアーベルの方へと向かった。]……話ガぁる。[と、彼を宿の外へと連れ出そうとした。]