――…喰えば、治る、かな。[その言葉はイレーネへと向けて。他の人の気配を感じては居たが――金色は蒼へとむけたまま]はっ……、失態は一度きりに決まってンだろ。[何を紡ごうと何をしようと靡かぬアーベルにリヒトは漆黒の獣へと姿を変え飛び掛かる。――狙うは咽喉笛。常に一撃でしとめる狩りの名手は傷を負いながらその脚に、牙に、爪に、渾身の力を籠めた]